三つの意識の状態

 先月末に描いた素描をもとに墨描を始めたが、久しぶりということもあってか、思った以上に難航する。その理由が分からずに、本気になって取り組むが、それでもそこから4日ほどは手応えがなかった。

 ようやく少し納得のできる物が出てきてから、何事があったのかを考えている。

 作品はまだ完成していないが、3つの異なった形となって姿を現している。結末が見えてしまえば、それは今までにも描いたことのある形式なのだが、一つの素描から一度に3つの形式が生まれたのは初めての経験だった。今回これほどに難航したのはそれが原因だったのだろう。

 それぞれは認識の違いなのだが、その差は意識の在り方からきている。つまりは意識、無意識、意識と無意識の両立という3つの形だ。それぞれに、今までも描いたことがある形なのだが、今回は曖昧な気持ちで出発してしまったことが先ず混乱した初めだろう。途中から意識と無意識の両立を目指すが、今までに無い大きさだったので、完成させることができずにいた。いくらやっても出来ないので、どこが間違っていたのか分からずに混乱した。最後に作品の寸法を小さくして決着を見る。

 大きな画面で、意識と無意識を同時に働かせる絵が、今回は出来なかった。しかし、それが分かれば先へ進める。

 今溜まっている絵の具の仕事が片づいたら、再度試して見よう。